築地の場内市場が豊洲へ移転してから数年が経つ。多くの人は、築地全体が消えたと考えている。しかし場外市場は、依然として築地の地に残り、活気を保っている。
場外と場内の関係
「場内」と「場外」は、もともと一体ではなかった。場内市場は東京都が管理する卸売市場であり、場外市場は周辺で発達した小売・飲食店街であった。両者は隣接していたが、機能は異なっていた。

場内が移転した後、場外市場は独立した存在として残った。これは構造的に当然の結果であった。
顧客層の二重性
場外市場の顧客は、二つに大別される。一つは、近隣の飲食店の料理人。もう一つは、観光客と一般消費者。両者の購入する商品も、購入の作法も、まったく異なる。
朝5時、料理人たちは無言で、店主と短い言葉のやり取りで取引を済ませる。朝10時、観光客たちはスマートフォンで写真を撮り、英語や中国語で会話する。
食材の知識
場外市場の店主たちは、扱う食材について、極めて詳細な知識を持っている。産地、入荷時期、調理法、保存方法——客の質問に対して、即座に答えが返ってくる。これは、長年その食材だけを扱い続けてきた職人の知識である。
スーパーマーケットの普及により、こうした「食材の専門家」は減少している。場外市場は、その知識が依然として日常的に交換されている、希少な場所である。